2017年10月19日(木)に、第2回 奥田流ガストロノミーセミナーが開催されました。
「小麦粉」をテーマにした今回の講義も、盛況のうちに終了しました。
当日の様子を詳しくレポートします!


第1部
「TRAIN SUITE 四季島」の朝食で
人気のパンの秘密
四季島で提供される奥田シェフ監修の朝食、
「塩パン」「四季島食パン」が乗客に人気を博しています。
その開発秘話や四季島への導入背景、生地作りのこだわりを披露しました。
シェフブランジェ 大岡 俊志


四季島パン、美味しさの理由
四季島では、地ぱんgoodのパンが提供されています。地ぱんgoodの特徴である乳酸菌の力を使い、パン酵母を併用することにより、乳酸菌が低温長時間で活動。長時間熟成させることで、グルテンの進展性が良くなりふんわりとろける食感に仕上がります。
小麦粉は、日清製粉の「エコード」を使用。
小麦のフレッシュな香りが強いため熟成の香りに負けず、味、香りともに複雑な味わいになります。吸水性が良いので、棚持ち、食感の改善に繋がるのも特徴です。
第2部
フルーツを活かす、
究極のケーキづくり
奥田シェフがオーナーを務める「ファリナモーレ・ドルチェ」では、
旬のフルーツを使い、日々様々な品揃えにチャレンジしています。
今回はイチゴと洋梨を事例に、生地とクリームと具材の関係性を掘り下げました。
エグゼクティブシェフ
奥田 政行



奥田流、ケーキづくりの奥義
まず、共立てと別立ての違いについて、生地を参加者に配りながら説明する奥田シェフ。
それぞれの生地に合う食材として、共立てはイチゴ、別立ては洋ナシが向いていることを実演を通じて紹介しました。
そして、日清製粉の小麦粉「バイオレット」と「エンジェライト」で、イチゴのケーキの食べ比べ。同じ食材のケーキでも、小麦粉の特性によって、しっとり・ふんわりと言った食感の特徴の違いが出ることを、日清製粉営業部濱田次長より説明しました。会場からは、生地作りについてたくさんの質問があがります。
最後に、奥田シェフ自ら、奥田流ケーキの奥義を公開しました。ケーキの構成は、油脂分・糖分・旨み・塩味であり、それは母乳と同じ。つまり、遺伝子に訴えかける味わいであり、だからこそ欲しくなるということ。これに、スポンジケーキの焦げた風味が加わると、焼肉と同じになり満腹でも食べられる…という、究極のショートケーキのパランス理論を披露して、締めくくりました。
試食メニュー
●試食①
「共立て」「別立て」の生地を食べ比べ
●試食②
フルーツを乗せて「共立て」「別立て」
の違いを食べ比べ
●試食③
2種の粉で、
「共立て」+フルーツを食べ比べ

使用した小麦粉
●バイオレット
●エンジェライト
業務用お役立ちサイト
日清製粉 e-創・食Club

第3部
奥田流『生パスタ』の活かし方
全日本生パスタ協会の会長でもある奥田シェフは、
「ファリナモーレ」でオリジナリティあふれる生パスタをこの秋からスタート。
奥田流理論で旬の食材と小麦の風味を活かす作り方を伝授しました。
エグゼクティブシェフ
奥田 政行



奥田流、ケーキづくりの奥義
小麦の風味を活かすカギは、グルテン形成。グルテン形成に重要なのは、水・粉・練り方の3つです。 生パスタと小麦粉の特性を理解するため、手打ち生パスタの実演を行いました。
強力粉300g、薄力粉110g、デュラム粉110g(日清製粉デュエリオ)を配合し、卵、水、さらに黒胡椒を練りこんだパッパルデッレを作り、「カーチョ・エ・ペペ」(ローマ風チーズと胡椒のパスタ)を参加者で試食しました。
奥田シェフは、素材に併せてパスタ生地を自由自在に切れるため、お店のオリジナリティが出せることを強調。生パスタの可能性を感じさせました。
最後に、全日本生パスタ協会の理事で、淡路麺業株式会社 代表取締役 出雲文人氏が登壇。
生パスタの特徴やタイプを紹介し、セミナーを締めくくりました。
試食メニュー
●奥田シェフオリジナル
カーチョエペペ
(ローマ風チーズと胡椒のパスタ)
製麺時に黒胡椒を練り込んだ
パッパルデッレ(幅広麺)使用

使用した小麦粉
●デュエリオ
業務用お役立ちサイト
日清製粉 e-創・食Club

「パスタのゆで論・ふり論」はこちら